親の年金はいくらまでなら扶養に入れる?扶養控除の条件をわかりやすく解説

親を扶養にいれるかどうか悩むイメージ 家計と制度

親が年金生活になると、

  • 「扶養に入れたら税金が安くなるのでは?」
  • 「年金をもらっていても扶養に入れるの?」
  • 「年金はいくらまでなら扶養対象になる?」

と疑問に思う人も多いと思います。

結論からいうと、年金受給者の親でも条件を満たせば扶養に入れることができます。

ただし注意点があります。
親の扶養には

  • 税金の扶養(扶養控除)
  • 社会保険の扶養(健康保険)

という2つの制度があり、条件がまったく違います。

この記事では、

  • 年金受給者の親を扶養に入れる条件
  • 年金はいくらまでなら扶養対象になるのか
  • 実際に扶養に入れる方法

をわかりやすく整理します。

年金受給者の親を扶養に入れる条件

親を扶養に入れる場合、まず知っておきたいのが扶養には2種類あることです。

扶養の種類内容年収目安
税金の扶養扶養控除で税金が安くなる年金収入155万円程度以下
社会保険の扶養健康保険料が不要になる年収180万円未満

この記事で主に扱うのは、税金の扶養(扶養控除)です。

“税金の扶養”に入れる条件

親を扶養控除の対象にするためには、次の条件を満たす必要があります。

主な条件は以下のとおりです。

  • 親族であること
  • 生計を一にしていること
  • 合計所得金額が58万円以下
  • 青色事業専従者などでない

この中で特に重要なのが合計所得金額58万円以下という条件です。

ただし、年金の場合はそのままの金額ではなく、
公的年金等控除を引いた後の金額で判定されます。

年金はいくらまでなら扶養に入れる?

年金収入だけの場合、扶養の判断目安は次のようになります。

年齢年金収入の目安
65歳未満約108万円以下
65歳以上約155万円以下

例えば65歳以上の親の場合、

年金収入 − 公的年金等控除(110万円)= 年金所得

となり、年金所得が58万円以下なら扶養対象になります。

そのため結果として、
年金収入155万円程度までなら扶養に入れるという目安になります。

扶養控除の金額

親を扶養に入れると、次の扶養控除が適用されます。

区分控除額
一般扶養38万円
老人扶養(70歳以上)48万円
同居老親(70歳以上)58万円

特に控除額が大きいのが同居している70歳以上の親(同居老親)です。

58万円の所得控除になるため、税率によっては数万円〜十数万円の節税になります。

実際の減税額については、以下の記事で年収別に詳しく解説しています。

別居している親でも扶養に入れられる

親と同居していなくても、扶養に入れることは可能です。

条件は生計を一にしていることです。

例えば次のようなケースです。

  • 定期的に仕送りをしている
  • 生活費を負担している

ただし、同居していない場合は
同居老親の控除(58万円)は使えず、48万円控除になります。

別居の親を扶養に入れる条件については、
こちらの記事で詳しく解説しています。

遺族年金や障害年金は扶養判定に影響しない

ここで注意したいのが、遺族年金や障害年金です。

これらは非課税所得のため、扶養控除の判定に使う合計所得金額には含まれません。

つまり、例えば次のような収入を得ているケースです。

  • 遺族厚生年金120万円(非課税)
  • 自身の老齢年金160万円

合計すると280万円となりますが、遺族厚生年金120万円は非課税、
さらに老齢年金から公的年金等控除がなされ、合計所得金額は50万円となります。

そのため、

  • 生計を一にしている
  • 他の人が扶養していない

などの条件を満たせば、このケースは扶養控除の対象にすることができます。

年金扶養判定
老齢年金所得として計算
遺族年金計算しない
障害年金計算しない

社会保険の扶養条件

税金とは別に、健康保険の扶養という制度もあります。

主な条件は次のとおりです。

  • 年収180万円未満(60歳以上)
  • 扶養者の収入の半分未満
  • 75歳未満

ただし75歳以上になると
後期高齢者医療制度に移るため、健康保険の扶養には入りません。

つまり多くの場合、

  • 税金の扶養 ➡ 可能
  • 社会保険の扶養 ➡ 不可

というケースもあります。

親を扶養に入れる方法

会社員の場合は、年末調整で申請します。

提出する書類は扶養控除等申告書です。

親の

  • 氏名
  • 生年月日
  • 所得見込み

を記入します。

自営業の場合は、確定申告で扶養控除を申請します。

親を扶養に入れるメリット

親を扶養に入れる最大のメリットは、税金が安くなることです。

例えば

  • 同居の70歳以上の親
  • 控除額58万円
  • 所得税率20%

の場合

58万円 × 20% = 約11.6万円

さらに住民税も減るため、
合計で10万円を優に超える節税になることもあります。

親を扶養に入れるデメリット

一方で注意点もあります。

例えば

  • 医療費の自己負担限度額が変わる可能性
  • 介護保険料が変わる可能性

などです。

また、親の所得によっては扶養に入れない方が有利な場合もあります。

親を扶養にいれるかどうか判定するには?

親を扶養に入れるかどうかは、次の順番で確認すると判断しやすくなります。

  • 親の年金収入を確認する(年金収入155万円以下か
  • 親が70歳以上か確認する(控除額が変わる
  • 同居か別居か確認する(控除58万か48万
  • 自分の年収を確認する(税率によって節税額が変わる
  • 節税額を確認する

節税額の目安は、こちらの記事で一覧表にしています。

親を扶養に入れられないケース

次のような場合は、親を扶養に入れることはできません。

年金収入が基準を超えている

例えば65歳以上の場合、
年金収入155万円を超えると扶養対象外になる可能性があります。


親が自分で生活している

税法上の扶養では生計を一にしていることが必要です。

例えば

  • 完全に独立して生活している
  • 仕送りがない

場合は扶養対象になりません。

他の家族が扶養に入れている

扶養控除は1人の扶養親族につき1人のみです。

兄弟がすでに扶養に入れている場合は
重複して控除を受けることはできません。

よくある勘違い(Q&A)

Q 年金も103万円の壁ですか?

いいえ、違います。

給与の場合は103万円の壁がありますが、
年金の場合は公的年金等控除があるため計算が違います。

例えば65歳以上の場合

  • 年金155万円
  • 控除110万円
  • 所得(155万円-110万円)45万円

となるため、扶養控除の対象になる可能性があります。

Q 年金をもらっていると扶養に入れませんか?

いいえ、入れる場合があります。

扶養の判定は収入ではなく所得で判断されるため、
年金収入があっても扶養対象になることがあります。

Q 親が別居でも扶養に入れられますか?

可能です。

ただし生計を一にしていることが条件になります。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

まとめ

年金受給者の親でも、条件を満たせば扶養に入れることができます。

ポイントを整理すると次のとおりです。

  • 年金受給者でも扶養控除の対象になる
  • 65歳以上の場合、年金収入155万円程度までが目安
  • 70歳以上は控除額が大きくなる
  • 別居の親でも扶養は可能

親の扶養は、条件を満たせば数万円〜十万円以上の節税になることもあります。

親の年金額を確認して、
扶養に入れられるか一度チェックしてみるとよいでしょう。

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