子どもを3人持ちたい。そう考える家庭は少なくないと思います。
ただ、実際に計画を進めようとすると、理想と同時に「お金」の現実が浮かびます。
教育費はいくらかかるのか。
大学が重なったらどうなるのか。
自分たちの老後資金は大丈夫なのか。
2人までは想定していても、3人目になると一気に現実味が増します。
支出は確実に増える一方で、収入が急に増えるわけではないからです。
多子世帯支援の多くは「第3子」を基準に設計されています。
これは少子化対策として“もう一人”を後押しする政策的意図があるためです。
つまり3人目は家計にとっての分岐点であり、支援制度の転換点でもあります。
👉 この記事でわかること
なぜ「中学卒業まで」で区切るのか?
高校・大学は無償化や給付型支援が拡充されています。
たとえば、
- 高校授業料の実質無償化(公立は実質無償、私立も支援あり)
- 大学の給付型奨学金・授業料減免
一方で、義務教育期間は“完全無償”ではありません。
そこへ給食費、習い事、被服費、部活動費など、日常的な支出が積み重なります。
そのためまずは「中学卒業まで」を土台として整理します。
子ども1人あたり中学卒業までにかかる費用
日本政策金融公庫の調査によると、教育費の平均支出は以下の通りです。
出典:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査」
教育費の目安(公立中心想定)
| 区分 | 概算 |
|---|---|
| 幼稚園〜中学校 | 約500〜600万円 |
※学習塾や習い事の有無で大きく変動
ここに、食費・衣服費・レジャー費など生活費増加分が加わります。
一般的に、
中学卒業までで約1,000万円前後/1人
が一つの目安になります。
3人なら約3,000万円。
この数字が「3人目に踏み出せない」理由です。
ただし、この段階の子育て支援策も拡充が図られています。
第3子から変わる支援制度
3人目を考えるうえで重要なのは、「支出が増える」だけでなく、第3子から支援が厚くなる制度があるという点です。ここでは代表的な制度を整理します。
① 児童手当(すべての子育て世帯)
2024年10月の制度改正により、所得制限が撤廃されました。
出典:こども家庭庁
■ 支給額(2024年改正後)
| 年齢 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 0~3歳未満 | 月1.5万円 | 月3万円 |
| 3歳~高校卒業相当 | 月1万円 | 月3万円 |
※第3子以降のカウントは条件有
■ 中学卒業(15歳)までの受給目安(2歳差モデル)
| 子ども | 受給総額 |
|---|---|
| 第1子 | 約198万円 |
| 第2子 | 約198万円 |
| 第3子 | 約540万円 |
| 合計 | 約936万円 |
第3子は中学卒業までで約540万円規模になります。
② 児童扶養手当(ひとり親世帯)
ひとり親家庭などを対象とした制度です。
所得に応じて「全部支給・一部支給・停止」に分かれます。
出典:こども家庭庁
■ 支給額(全部支給の場合)
| 子ども | 支給額(全部支給/月) |
|---|---|
| 第1子 | 約45,500円 |
| 第2子 | +10,750円 |
| 第3子以降 | +10,750円 |
3人子どもがいるひとり親世帯では合計 約67,000円/月
児童扶養手当のポイント
- 児童扶養手当は ひとり親世帯向け制度
- 支給額は所得によって変動
- 支援の規模としては児童手当以上に大きい可能性がある
- 第3子以降加算額が第2子と同額になったことで、多子世帯でも恩恵が拡大している
児童手当と児童扶養手当の違い
| 項目 | 児童手当 | 児童扶養手当 |
|---|---|---|
| 対象 | すべての子育て世帯 | ひとり親家庭など |
| 所得制限 | なし(撤廃) | あり |
| 第3子の優遇 | 月3万円 | 加算あり |
| 支給額規模 | 月1~3万円 | 最大月6万円超 |
| 家計への影響 | 広く薄く支援 | 対象世帯には大きい |
多子世帯向け支援(自治体制度)
国制度とは別に、自治体独自で
- 第3子保育料無償化
- 給食費無償化
- 医療費助成拡充
- 入学祝い金
などを実施しているケースがあります。
※「第3子」の数え方は自治体により異なります(同時在学要件・年齢上限など要確認)
高校・大学の支援
高校無償化制度
大学無償化(高等教育の修学支援新制度)の全体像
よくある質問
Q1. 子ども3人でも家計はやっていけますか?
収入水準と教育方針次第ですが、公立中心+計画的積立であれば現実的です。
Q2. 第3子は本当に優遇されますか?
児童手当増額や自治体支援など、制度設計上は“第3子基準”が多いです。
Q3. 高校無償化は全世帯対象ですか?
公立高校は実質無償、私立は支援金制度あり。
まとめ
3人目を考えるとき、多くの家庭が感じるのは「漠然とした不安」です。
教育費が3人分重なる未来。
大学進学が同時期に来る可能性。
老後資金への影響。
どれも現実的な心配です。
しかし、実際に数字で整理してみると、中学卒業までに必要な支出は約3,000万円規模
そのうち児童手当だけでも1,000万円超が支給されます。
自治体の支援まで含めれば、負担はさらに圧縮される可能性があります。
つまり、3人目は「特別に危険な選択」というわけではなく、
支出と支援の全体像を把握したうえで準備していくテーマだということです。
不安の正体は、見えないことにあります。
総額を知ること。支援を知ること。
そして、毎月いくら備えればいいかを具体化すること。
そこまで落とし込めれば、3人目は“漠然と怖い存在”ではなくなります。
この記事が、すでに3人目を計画しているご家庭にとって、
「やはり進められる」という安心材料になれば幸いです。







コメント